この時期は、ひたすら畦や水田に生えた雑草を刈ります。
今はミゾソバやコナギなど、見てて少し癒される雑草が生えているかもしれませんが、その環境は、草刈りをしていないと維持されないのです。
2ヶ月さぼると…ヨシやススキ、カナムグラやクズで覆われ、どこが畦だかもわからないほどの茂みになってしまうのです。
何百年も、田んぼを営む限りひたすら毎月草刈りされてきた畦。
もっとも、我々が関わっている畦は、何百年も草刈りをされていたのに、何十年か前に草刈りをやめてしまった畦です。
数年前までは、ススキやササが生い茂ったどうしようもない畦でした。
小さな畦草たちは、大きな藪に埋もれて、苦しい年月を過ごしてきたでしょう。
それが、ここにきて、なんともかわいらしい植物が意図せずよみがえってきました。
先にご紹介したイチョウウキゴケだけではありません。
キツネノカミソリやミズワラビなど、そういえばなんとなく予想もしていなかった希少植物がぽつぽつと出始めました。
そこで、はじめまして、といいつつ、刈ります。
いじめてるみたいですが、こうしないと生まれてこれなかった草たちです。
絶滅危惧種の畦草を守るための、というと凄そうですが、単に刈るだけです。
(根こそぎ抜くのではなくて、刈るのです。ちゃんと花がつくように、一部残します)
こんな田んぼの雑草でも、今ではレッドデータブックにも載っています。
そして草刈りが終わるのを、じーっと待つ、タヌキ。
刈り終わった畦で早く遊びたくて、うずうずしているのでしょう。
キューキューと文句をいっていました(て)。